2018年度鳥取県・青山学院大学
社会情報学部協働プログラム研究
鳥取県をフィールドとした
ソリューション実践プログラムに関する
カリキュラム開発の実践研究

活動概要

2018年3月に締結された鳥取県と青山学院大学による包括協定(https://www.aoyama.ac.jp/info/news/2017/02526/)に基づき、青山学院大学社会情報学部附置社会情報学研究センターは、鳥取県内でフィールドワーク活動を行いました。

鳥取県鹿野町の古民家を借り、地域の方々と関係をつくりながら活動の拠点を整えました。8月には新潟県で行われた大地の芸術祭を訪れ、地域社会での芸術の役割を視察すると共に、シンポジウムとワークショップを催し、鳥取県での活動の発表などを行いました。

苅宿研究室は8月20日から9月8日にかけて鳥取県を訪れ、地域調査活動を行いました。9月2日には、鹿野町でデジタル機器を使った芸術表現体験活動のワークショップやアナログ作品の制作体験や展示などのイベントを開催し、地元の小中学生を中心に地域住民の方々との交流が生まれました。

「青山学院大学社会情報学部附置社会情報学研究センター鳥取分室」

青山学院大学は社会情報学部附置社会情報学研究センターは鳥取県での活動拠点として、鳥取県鹿野町に社会情報学研究センター鳥取分室を開設しました。8月21日には開所式を行いました。

開所式では鳥取県知事の平井氏をはじめ、NPO法人いんしゅうしかのまちづくり協議会理事長佐々木氏や鹿野学園村尾校長先生、鳥の劇場代表中島氏など、県、市、地元関係者や現地小・中学生をはじめ、山陰中央テレビや日本海新聞など多くのメディア関係者が来場しました。

掲載メディア(一部抜粋)

2018年9月2日に鹿野町内の施設「しかの心」にて、ワークショップを開催。学習コミュニティデザイン研究ユニット(LCD)が研究開発を行った iOSアプリケーション「WSD-Gadget.f」を活用したデジタルワークショップを行いました。

ワークショップの内容

午前の部

アイスブレイクとしてチーム対抗のジェスチャーゲームを行いました。チーム対抗にすることでその後のメインワークの活性化する狙いです。参加者は小学校低学年から中学区生と幅が広かったので「うさぎ」や「歯磨き」などの身近なテーマを設定しました。

メインワークでは、魔法学校とマジシャン学校で進級するための試験を手伝ってもらうという設定のもと、映像制作を行います。逆転時間を用いて「ふしぎな消える絵をかこう!」「破れた紙も元どおり!?マジシャンになろう!」「魔法のじゅうたんにのってみよう!」「人を消しちゃう!?魔法の杖を使おう!」というミッションを提示し、作品を制作してもらいました。作品発表では、工夫したところやこだわったところなどを保護者の方々に向けて解説してもらいました。

午後の部

ミラーカメラを使ったワークを行いました。「モンスターを探そう」というテーマを設定し、身近な場所やモノをモンスターに見立てられるような写真を撮影してもらいます。

撮影した写真をその場で印刷し、ワークシートへ貼り付け、モンスターの「名前」「住んでいるところ」「性格」「好きな食べ物」「得意なわざ」「みつけやすさ」などを自由に想像して書き込んでもらい、モンスター図鑑を作成しました。子どもだけでなく大人にも参加し、年齢に関係なく見つけたモンスターやその特徴など想像したことを発表し合っていました。大人よりも子供のほうが「見立て」がうまく、感心します。

ワークショップ総括

初対面で学年も異なる子ども同士でグループをつくることで、子どもたちが環境に馴染むまでの環境づくりなどを工夫しました。

例えば、今回のワークショップでは、小学2年生から中学3年生まで幅広いことが事前に分かっていたため、グループワークでは年齢の高い子をファシリテーターに近いような役割として動いてもらうよう促しました。

年齢の低い子どもたちのお兄さん、お姉さん役となってもらうことで、低学年、高学年の参加者間でコミュニケーションを撮ることができ、一緒に作品をつくることができました。また、ワークショップでは、子どもならではの面白い発想や、作成中に自然と子どもたち同士で協力しながら会話のやりとりが生まれていたように感じます。

9月2日には、ワークショップだけでなく第一回青学鳥取分室特別研究公開として「視覚表現を楽しもう!フェナキストスコープからVRまで」という展示体験会を開催しました。青山学院大学社会情報学部と地域住民の方々の交流を目的とし、その活動を知ってもらうため、デジタル・アナログによる視覚表現を体験してもらいます。

アナログ体験

フェナキストスコープ制作体験会

フェナキストスコープとは、穴の空いた円盤を回転させ、空いている穴を覗くと、中に描いてある絵がまるでアニメーションのように動くアナログなアニメーション再生機器です。誰でも容易にデジタル機器で動画が撮れてしまう時代だからこそ、アニメーション動画の原点であるフェナキストスコープを鳥取県鹿野町の子供たちに知って、体験してもらいたいという目的がありました。子供がオリジナルのフェナキストスコープをつくることができるよう、シールなどを用意しました。また、初めて見るであろうフェナキストスコープを面白がってもらえるように、作業空間や展示場に置く鏡や照明などを工夫して展示空間を設計しました。

さぶろうさんとトリックアート写真

鳥の劇場の俳優である「さぶろうさん」をキャラクター化し、街の人に親しんでもらいたいという目的から、さぶろうさんの等身大パネルを制作しました。遠近法を使ってトリックアート写真を撮影できるように鹿野町のメインストリートに配置し、写真を撮影。その場で印刷をして作品をつくってもらった。さぶろうさんのインパクトなども相まって、面白がる子どもたちから撮影方法や構図などのアイデアがたくさんでてきました。出来上がった作品は、プリントアウトしてその場で展示します。

デジタル体験

VR動画体験

ヘッドセットを装着することにより、360度が見渡せるバーチャルリアリティ(VR)動画を制作。青山学院大学の校内や渋谷のスクランブル交差点、新潟県で行われた大地の芸術祭などをなどを360度カメラで撮影し、鳥取分室で視聴体験してもらった。また、鹿野町を360度カメラで撮影をし、青山学院大学相模原祭で来場者に鹿野町を体験してもらいました。はじめて目にするといっていた渋谷の人の多さに子どもたちはびっくりしていました。

映像コンテンツ

鳥取と青学生を結ぶコンテンツとして準備期間と鳥取滞在中に動画を作成しました。完成した動画コンテンツは鳥取分室のほか、青山学院大学相模原祭でも鳥取のPRとして放送しました。鳥取県の特産品である二十世紀梨を用いた動画コンテンツや、鳥取県で楽しんでいる姿をPRするためにCMを作成。鳥取の自然をテーマに、絵コンテを作成しコマ割り、プロットをつくり、学生が鳥取県を全力で楽しでいるCM動画を3本作成しました。また、平井県知事へのインタビューを決行。青山学院大学の鳥取での活動についてやこれからの活動への期待を伺いました。

Tシャツで活動をアピール

鳥取県や地域の方々に活動を知ってもらったり、話しかけてもらったりするきっかけづくりの一環として、カラフルなオリジナルTシャツを作成しました。

違う色のTシャツに活動状況などを表すメッセージをプリントし、毎日違う色・デザインのTシャツを着用。地域の方とのコミュニケーションのきっかけや活動、鳥取分室、イベントのPR、SNSなどでの発信に活用しました。

SNS活用

上記の映像や写真などのコンテンツを活用してSNSで活動の広報を行いました。動画や写真を定期的にアップロードすることにより、活動を知ってもらい、興味を持ってもらうきっかけとなることが目的です。

主に同年代の大学生にリーチしやすい instagram や Twitter を活用し、写真や動画を作成。活動準備期間に撮影、制作した動画やカラフルでメッセージ性のあるTシャツを着て、鳥取で実際に活動している写真などをアップロードしました。

青山学院大学「相模原祭2018」活動報告

青山学院大学相模原キャンパスの学園祭である相模原祭が10月6日(土)、7日(日)の二日間開催されました。相模原祭には、青山学院の学生やその友人、保護者、相模原キャンパス近隣住民の方など、多くの人が来場するため、多くの人に社会情報学部生の活動と鳥取県の魅力を知ってもらう機会となればと思い出展しました。

鳥取の「関係人口」となった社会情報学部の学生が、自分たちの場所へ戻り、自分たちが土地の魅力や取り組んだ活動を展示や体験ブースを通して伝えることで関係人口を増やすことが目的です。

鳥取県での活動中に日替わりで着用したTシャツや、新聞記事、鹿野町の町並みを360度見渡すことができるVRゴーグル映像など、鳥取での活動や鳥取の魅力を紹介しました。

二日間で300名以上の方が来場し、鳥取県の公式ポスターでの撮影やパンフレットなどを配布することができました。